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2011年9月

2011年9月22日 (木)

ピーナッツアレルギーについて

2011年9月22日(木曜日)

7月は学会〜勉強会が随分開催されたのですが、一転して8月および9月には勉強会が少なかったため、私も新しい知識や情報を得る機会が余りありませんでした。
そこで、困ったときの「香櫨館通信」!という事で、今回も今月の香櫨館通信用に書いたピーナッツアレルギーの原稿をここに転載させて頂きます。
"勉強の秋"ですので、10月にはしっかり学習して新しい情報を皆様に提供したいと思います。



アレルギーよもやま話 第15

ピーナッツアレルギー

  我が国ではピーナッツアレルギーは今のところそれほど問題視されていませんが、対照的に欧米では近年ピーナッツを含むナッツアレルギーの頻発が問題化されており、アメリカ合衆国では全人口の約1.2%がナッツアレルギーを、さらに成人の約0.7%、小児の約0.4%がピーナッツアレルギーを有していると報告されており、ピーナッツは卵・ミルクと共に3大食物アレルゲンに挙げられています。

 ピーナッツアレルギーが好発する理由として、欧米ではピーナッツバターなどを食べる機会が多いことに加えて、ピーナッツオイルを含んだスキンケアクリームを塗る事によってもピーナッツアレルギーを獲得しやすいとされています。ところが、大変興味深い事に中国では欧米に劣らない程度の量のピーナッツを摂取しているにも関わらず、中国でのピーナッツアレルギーの発症はきわめて稀なのです。その理由としては、欧米ではピーナッツを主に煎って調理するのに対して、中国では通常煮たり揚げたりとの調理法がなされているのですが、ピーナッツを煎ると約170℃との高温に達しアレルギーの抗原性が増強するのに対して、煮たり揚げたりした場合には約100120℃の温度となり、アレルギーの抗原性はむしろ減弱するとの機序が推測されています。

 また、きわめて重篤な症状をきたす場合が多いという点もピーナッツを始めとするナッツアレルギーの特徴であり、ナッツアレルギーは欧米での食物によるアナフィラキシーによる死亡例の半数以上を占めています。今のところそれほど発症例は多くはありませんが、日本人のライフスタイルの欧米化に伴って今後我が国でもピーナッツアレルギーも増加するのではないかと危惧されているため、注意が必要です。




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