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2015年10月

2015年10月17日 (土)

アトピー性皮膚炎における黄色ブドウ球菌の役割

2015年10月17日(土曜日)

今日は診療終了後、三宮で開催された兵庫県臨床アレルギー研究会に出席し、千葉大学皮膚科の松岡悠美先生による「アトピー性皮膚炎における黄色ブドウ球菌の役割解析」とのタイトルの御講演を拝聴してきました。

その御講演内容によると、アトピー性皮膚炎の患者さんの皮膚では、アトピー以外の人の皮膚では検出しない黄色ブドウ球菌の生着が90%以上で認められるそうです。しかし、アトピーの病態に黄色ブドウ球菌が如何なる役割を果たしているかに関しては明らかではなく、この常在細菌叢の変化が疾患の治療法の対象となる事はこれまでにはありませんでした。
しかし、松岡先生達は、病原黄色ブドウ球菌が産生する分子によって誘発される肥満細胞由来の脱顆粒がアトピー性皮膚炎の患者さんの皮膚での痒みの原因となる事を実証し、その原因として、黄色ブドウ球菌由来のδ-toxinという物質がIgE産生を亢進する事を見いだされました。

これまでには、アトピー性皮膚炎における黄色ブドウ球菌の関与は、トビヒなどの細菌感染症を合併しない限り治療のターゲットになりませんでしたが、今後黄色ブドウ球菌を抑制する事によって、アトピー性皮膚炎の発症を予防するとの可能性が期待できるかも知れません。

但し、イソジンで消毒するとか抗生剤を長期的に内服する等といった、常在細菌叢を破壊するような治療法は逆効果になる可能性が高いとの事でしたので、くれぐれも御注意下さい。


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