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2016年6月

2016年6月 7日 (火)

アトピー性皮膚炎と汗と保湿剤

2016年6月7日(火曜日)

去る6月3日(土曜日)〜4日(日曜日)には、国立京都国際会館で開催された日本皮膚科学会総会に出席してきました。
色々な新しい話題に触れましたが、ここでは今回最も印象深かった「アトピー性皮膚炎と汗」との教育講演のお話をしたいと思います。

元々、発汗には皮膚温を下げて体温調節を行う作用がありますが、アトピー性皮膚炎の患者さんでは安静時の発汗が低下しているため、体温調節が上手くいかないとされています。
そこで、発汗を亢進させる事がアトピー性皮膚炎の症状緩和につながる訳ですが、たとえ室温を上げても発汗は亢進せず、発汗亢進に最も有効な方法は43℃のお湯に足浴する事だそうです。

そして外用剤はどうなのかと言うと、大変驚くべき事に、ヘパリン類似物質(ヒルドイド、ビーソフテンなど)の外用は温熱誘発性発汗を亢進させるのに対して、ワセリンの外用では逆に温熱性発汗を低下させてしまうそうです。
従って、顔面・前胸部・背中などの代償性発汗が多い部位ではワセリンの外用で構わないのですが、四肢など発汗が低下して乾燥をきたしている部位にはワセリンの外用が逆効果な場合があり、ヘパリン類似物質の外用が、より有効的であろうとの事でした。

この話は目からウロコであり、私にはこれまで部位によって保湿剤を使い分けるとの発想はありませんでした。
しかし、今後保湿剤に関してもより細やかな使い分けを考慮する事が大切であるという事を痛感させられた次第でした。





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